<過去の旅 2>
■ 小学生編 ■


小学生の時、私はタンスを前に悩みました。
着ていく服がなかったのです。
タンスを開けると、半袖の服が1枚きり。
それと今着ている服が、私の全部の洋服でした。
下は、ジャージ1枚きりでした。

私は基本的に洋服を買ってもらえないのですが、姉のお下がりを貰える事になっていました。
でも、何時の日か、姉から「あんたにあげる位なら捨てた方がマシだ」と言われ、実際に服をもらえなくなりました。

何度も「お母さん私のタンスを見て」と言いました。
でも、母は、「お姉ちゃんのおさがりがあるでしょ」と言い、全然見てくれません。
毎日、私はお風呂に入る時、その日着た服を洗って干していました。
週に1度の洗濯では間に合わないからです。
でも、母は、本当に気付いていないのか、知っていても無視だったのか・・・。
あまりにも私がしつこくお願いすると、姉を呼んで
「こいつに何かいらないのを1着あげてよ。うるさくて仕方ない」と言われました。
姉は、母の前では「分かった」といい、陰では何もくれませんでした。

私は秋を前にため息をついていました。
長袖の服がなくて学校に行けなくなるからです。
でも、母に言っても無理だし・・・私は悩みました。
そして、とうとう、伯母に電話しました。

「あら久しぶり。どうしたの?」 伯母は私の声がおかしいのにすぐに気付いてくれました。
「・・・伯母さん。前に私を養女に欲しいと言った事覚えてる?覚えているなら養女にして下さい。そして洋服を下さいっ!!」

私の心の叫びでした。
伯母は驚きましたが、その場は待ってと言いました。
私は期待しないで待つことにしました。

数日後、伯母は静岡から来てくれました。
そして、私のタンスをみて、姉の洋服で溢れたタンスを見て、母に説教してくれました。
私は自分の言った事を信じてくれる人がいた事が嬉しくて、涙が止まりませんでした。

そして、その日以来、高校生になるまで、伯母から私宛に洋服の宅急便が届くようになりました。
その中の半分は、姉に持って行かれましたが、それでも嬉しかったです。


   

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