<過去の旅 9>
■ 新しい戦い ■


今日、昨日携帯に20件以上も電話してきた子が、私が出なかった為、朝一で家に電話が来ました。
眠れなくて徹夜した私は不機嫌でした。
「こんなにかけて来るって事はよっぽどの用事だよね?」と言うと、「うん」
と言うので聞いていると、昨日のデイケアの愚痴でした。
そのうち、「そういえばね、昨日佐久間っちがね言ったんだけど・・・スタッフに言ったら本人には絶対に言わないようにって言われたんだけど・・・」
私はピンときました。
「そう。本人に言わないようにって言われたんだ。何て言ってたの?」
「うん。佐久間っちがね、化粧が濃いって」
こんな簡単な誘導に引っかかるんだから・・・よっぽど言いたかったんだね。
「判ったよ。佐久間くんは私の事好きじゃないもんね」と言うと 「うん」とバカ正直に答えました。
なので、「悪いけど、これから先、佐久間くんの事での相談は一切聞かないからね」と言うと、「何で?」との答え。
「私の事を好きな人の為には何でもするけれど、私に好意を持っていない人の為に私の時間を費やす事はしない主義なの。無駄でしょ?」
「そうだね」と答えたので、「じゃあ、彼の事で二度と電話しないでね」と言って電話切りました。
その時、私はものすごい怒りの中にいました。
今度デイケアで会ったら絶対文句言おうと・・・ケンカ売ろうと思っていました。
でも収まらなくて、考えた末にマンションの上に住んでいるデイケア友達のMさんに電話しました。
そして、化粧が濃いと言われた事で腹が立ち、ケンカ売るつもりでいる事を伝えると、「そんな事でケンカしないの。相手のレベルまで自分を落としてどうするの。勿体ないよ」と言われました。
そう言われて、確かにあいつのレベルに落ちるのは嫌。でも、収まらない怒りがある事を伝えました。
そして話しているうちに、ケンカする気持ちはなくなったけれど、怒りが収まらず、佐久間くんへの怒りでリスカ、佐久間くんのレベルまで落ちた自分の不甲斐なさにリスカ、止められない衝動の発散にリスカ・・・頭の中がリスカで一杯になってしまいました。
その事を伝えると、「今行くから!」と言って電話が切られ、私は受話器を置いて、涙を拭っていると、玄関が開き、Mさんが来てくれました。
そのまま廊下を走ってきてギュッと抱きしめてくれました。
「切った?切った?切った?」
すごく慌ててました。
「切ってない」と言うと、ホッとして居間に入り、私の両手をギュッと握り締めて「どうして怒りが収まらないのか話して」と言われました。
私は美容にすごく気を使っている事。醜形恐怖がある事。その私にはきつい言葉だった事を泣きながら話しました。
「GREENさん、綺麗じゃない。バカの相手はしないの」
と言われ、「私は自分を綺麗だと思った事は一度もない」と話しました。
「どうして?」と言われたので、過去、母と姉から「ブス。死ね」「お姉ちゃんは美人なのにどうしてGREENはこんなに不細工なんだろうね」と言われて育った事や、親族に、「GREEN、あなたは醜いけれど、内面を磨いて尽くせばいい人が見つかるから頑張りなさい」とずっと行くたびに言われていた事を話しました。
祖母にまで言われていたんですよ・・・
Mさんは絶句して「ひどい・・・ひどいよ・・・そんなの親じゃないよ・・・おばあちゃんじゃないよ・・・この場にいたら殴ってやりたいよ」と言ってぎゅっと握っている手に力を加えてくれました。
「GREENさんの家は裕福だけどエステは贅沢だなぁって思っていたの。でも、そんな想いをしているなら、エステは必要な行為なんだね」と言ったので、「田口先生も、石井先生も賛成したの。それで食べられるようになるなら、気が済むならって・・・」と言うと、「そうだね。GREENさんには必要だね。こんなに綺麗でいてもそれを認められないで傷つくのは可哀相だよ・・・どうしたらいいのか・・・」と本気で考えてくれました。
そして話しているうちに、リスカ衝動は怒りではなく、美容に執念を燃やす私の子供心に負った深い傷が原因だと判りました。
普段なら言われても気にしない言葉なのに傷ついた。
それは昨日エステをやって自信満々で帰って来たから。
だからすごく傷ついたのでした。
私は、虐待にだけ焦点を絞って治療してきましたが、こんな所に根源があった事にびっくりしました。
2時間話して、私が落ち着いたのを確認してからMさんは帰りました。

私はその後すぐに夫に電話しました。
そして隠していた全てを打ち明けました。
エステに通っていた事。エステマシーンを買った事。美容に執念を燃やす理由。全てを・・・
そう。貯金を全て使い果たし、私はローンまで組んでいたのです。
「呆れた?」と聞くと「俺がブスと付き合うはずがないだろ。いいなと思ったから結婚したんじゃないか。どうしてそれが判らない?」と言われました。
「でも、老けて余計ブスになったらよぴくんは若くて綺麗な子を好きになると思ったから・・・」と言うと、「ありえない」と言われました。
そして、全部の費用を話すと、「今度俺に何か高いもの買ってもらおうかな?」と言われました。
全部の返済が終わったら買うと言うと、「いつになるのか・・・」と言われました。

そして、19年来の親友、Nさんに電話しました。
彼女には知って欲しいから・・・
そうすると彼女は、「GREENが身だしなみにきっちりしているのは昔から知っていたよ。マニキュアから髪の毛まできっちりして、いつもスーツでいたじゃない。高い美容液を使ったり何個も買い込んだりするのも知っていたよ」と言われました。
「もし私が化粧品のセールスだったらGREENの所に絶対行くね。買うもん。GREENは本当は綺麗とかそういう事にこだわっているんじゃない。年取るのが怖くて現実を直視したくないんだよ」と言われました。
「摂食障害だって、若くいたい。重力に逆らいたいって気持ちからでしょ?GREEN痩せてから急に10代の洋服とか見だして買い出したじゃない。ヨッシー(夫)はGREENを見捨てないよ。だからもう年取る事を認めようよ」と言われました。
私は泣いてました。
体が完璧と言われたら、次は顔に移った・・・若い時の顔を取り戻して嬉しかった・・・

私はNさんの言葉を全部受け止めていました。
本当の治療の根源はここにあるんだと。ここを治さない限り、摂食障害から立ち直れない事。
美に執念をかける事を・・・
捨てられるんじゃないかって怯えている事を・・・

私は昨日購入した美顔機のキャンセルを決めました。
今までなら絶対にありえなかった事。
でも、一連の流れで心は決まりました。
まだ商品が届いていない事。
莫大な金額がかかっている事。(60万円です)
今ならキャンセル出来る事。
確かにいい機械だけど、その費用を払えるのか?
これは仏様の導きだよ・・・と思いました。

電話します。
そしてサイコドラマもカウンセリングもこれ中心で行きます。
主治医の田口先生にも報告します。
隠して。隠して。そして怯えていた私。
もう隠さない。正面から挑みます。
カウンセリングも再開します。
先生にこの用紙を印刷して持って行きます。

私の新しい挑戦です。
戦いが始まりました。





   

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